作曲秘話 Pray For The Sea 序文

前回書いたRespireを多くの人に聴いてもらって、良いレスポンスを頂いたので、本格的に瞑想音楽を作曲しようと思い、どこか海外に引っ越そうと思ったんですね。
僕は海の近くで育ちましたから、泳ぐのが凄く好きで、海の綺麗な場所が良いなと思って、最初はオーストラリアに行こうとイメージしていました。でも、色々調べていくうちにオーストラリアは少し難しいかなと思い始めました。理由は色々あるのですが…。
その時、タイに行ってた友人が東京に一時帰国してて、食事をする機会がありました。僕は若い頃、タイに1度行った事があります。彼の話を聞いているうちに、タイでも良いかなと思って来たんです。仏教国なので人も人懐っこく笑顔の国と言われるくらいだし、果物は豊富だし、物価も安い。当然、彼はタイの良い事ばかり話すので、すっかりその気になってしまい、タイに決まったというわけです。僕が昔訪れたのはアユタヤとバンコクとパタヤだったと思いますが…。その中でもパタヤの印象が強く、迷わずパタヤに住もうと決めました。
さて、決めたのは良いですが、ここからが大変です。家財道具全部売っぱらっいました。念願のホンダスティード(アメリカンタイプのバイクね)を購入していたのも売ってしまいました。
そんなわけで、大きなスーツケースを買ってきて、作曲機材を詰めるわけです。なんと、その重さ60kg。衣類など生活用品はほとんどありません。ほとんど作曲機材です。今思い返せば無茶な事をしたんだなって本当に思います。それにキーボードとパソコン。当時は今のようにコンパクトではないので、全て大きく重い。パソコン鞄に詰め込んだ重量が10kgありましたからね。キーボードが7kgですから、合計77kgという重さです。これを1人で持って移動するという無茶な朝潮蘭でありました。そう、僕の所有物はこれだけになりました。人生でここまで身軽になったのは初めてです。エレキギターとベースギターは友人に預かってもらっていましたが…。
タイに1度行った事があるといっても、事情がよく分からないので、最初の数日間は友人のアパートに厄介になって、彼のタイの友人にお世話になって、パタヤのアパートを物色しました。パタヤの隣にジョムティエンというリゾートビーチにまぁまぁのアパートがあったので、そこに住む事にしましたが、なんと翌日騒がしい音で目を覚ますと、目の前のリゾートホテルが工事中で、これがいつまで続くか分からないというので、また新しい住まいを探す事になりました。別のタイ人の友人が住んでるコンドミニアムが良い感じだというので見に行きました。一目見ただけで決めてしまう程素敵な所でした。なんと…共有ですが25mプールがあって、いつでも自由に泳げます。ここは大きなコンドミニアムで、2棟500世帯ほどが入っています。タイ人家族とヨーロッパからのリタイヤ族の世帯で日本人は僕だけでした。後でわかったのですが、1家族だけ日本人がいたそうです。
というわけで、住まいも決まりゆっくりと作曲に没頭できます。と、思いきや、肝心のオーディオインターフェイスが電圧の違いで壊れてしまいました。
そうなんです、こういったトラブルは頻発します。変圧コンバーターを買いにバンコクに行ったり、衣類を買いに奔走したり。土地勘がないので、パタヤ中を歩きまくりましたね。ソンテウという乗合バスがあるのですが、行き先なんか書いていないので乗れません。とんでもない所に行ったりしたら帰れませんからね。まぁ、ある意味サバイバル的な感じで最初の1ヶ月ほどは町の下見をしていたという感じです。思い返せば信じられないほど歩いたと思います。
さてさて、話はまだまだ尽きないのですが、また次回にしたいと思います。(^^)☆